1page.title=ダイレクト ブート 2page.keywords=preview,sdk,direct boot 3page.tags=androidn 4page.image=images/cards/card-nyc_2x.jpg 5 6@jd:body 7 8<div id="tb-wrapper"> 9<div id="tb"> 10 <h2>このドキュメントの内容</h2> 11 <ol> 12 <li><a href="#run">ダイレクト ブート中に実行するためのアクセスを要求する</a></li> 13 <li><a href="#access">端末暗号化ストレージにアクセスする</a></li> 14 <li><a href="#notification">ユーザーによる端末のロック解除の通知を受信する</a></li> 15 <li><a href="#migrating">既存のデータを移行する</a></li> 16 <li><a href="#testing">暗号化対応アプリをテストする</a></li> 17 </ol> 18</div> 19</div> 20 21<p>Android N は、電源を入れたときにユーザーが端末のロックを解除していない場合、セキュリティで保護された <i>ダイレクト ブート</i> モードで実行します。 22 23この機能をサポートするため、システムで次の 2 つの保存先を使用できるようになります。</p> 24 25<ul> 26<li><i>認証情報暗号化ストレージ。</i>これはデフォルトの保存先で、ユーザーが端末のロックを解除した後にだけ使用できます。 27</li> 28<li><i>端末暗号化ストレージ。</i>この保存先は、ダイレクト ブート モード中とユーザーが端末のロックを解除した後の両方で使用できます。 29</li> 30</ul> 31 32<p>デフォルトで、ダイレクト ブート モード中はアプリは実行されません。ダイレクト ブート モード中にアプリで操作を実行する必要がある場合、このモードで実行するアプリ コンポーネントを登録できます。 33 34ダイレクト ブート モードでアプリの実行が必要になる一般的な使用例は次のとおりです。 35</p> 36 37<ul> 38<li>アラーム クロック アプリなど、通知がスケジュールされているアプリ。 39</li> 40<li>SMS アプリなど、重要なユーザー通知を表示するアプリ。</li> 41<li>Talkback など、ユーザー補助機能サービスを提供するアプリ。</li> 42</ul> 43 44<p>ダイレクト ブート モードで実行中にアプリがデータにアクセスする必要がある場合は、端末暗号化ストレージを使用します。 45端末暗号化ストレージにはキーで暗号化されたデータが保存され、端末がセキュアブートに成功した場合にのみこのデータを使用できます。 46 47</p> 48 49<p>ユーザーの認証情報に関連付けたキーで暗号化しなければならない PIN やパスワードなどのデータには、認証情報暗号化ストレージを使用します。認証情報暗号化ストレージは、ユーザーが端末のロック解除に成功した後に使用可能になり、ユーザーが端末を再起動するまでアクセスできます。 50 51 52ユーザーが端末をロック解除した後にロック画面を有効にしても、認証情報暗号化ストレージはロックされません。 53 54</p> 55 56<h2 id="run">ダイレクト ブート中に実行するためのアクセスを要求する</h2> 57 58<p>ダイレクト ブート モード中にアプリを実行したり、端末暗号化ストレージにアクセスしたりするには、アプリ コンポーネントの登録が必要です。 59 60アプリをシステムに登録するには、コンポーネントが 61<i>暗号化対応するように指定します。</i>コンポーネントが暗号化対応するよう指定するには、マニフェスト内で 62<code>android:directBootAware</code> 属性を true に設定します。<p> 63 64<p>暗号化対応コンポーネントを登録しておくと、端末を再起動したときにシステムから 65<code>LOCKED_BOOT_COMPLETED</code> ブロードキャスト メッセージを受信できます。 66この時点で端末暗号化ストレージが使用できるようになり、ダイレクト ブート モード中にコンポーネントが実行しなければならないタスクを実行できます。たとえば、スケジュールしたアラームのトリガーなどが該当します。 67 68</p> 69 70<p>次のコード スニペットは、アプリのマニフェスト内で 71{@link android.content.BroadcastReceiver} を暗号化対応として登録し、<code>LOCKED_BOOT_COMPLETED</code> のインテント フィルタを追加する方法の例を示しています。 72</p> 73 74<pre> 75<receiver 76 android:directBootAware="true" > 77 ... 78 <intent-filter> 79 <action android:name="android.intent.action.LOCKED_BOOT_COMPLETED" /> 80 </intent-filter> 81</receiver> 82</pre> 83 84<p>ユーザーが端末のロックを解除すると、すべてのコンポーネントは端末暗号化ストレージと認証情報暗号化ストレージの両方にアクセスできます。 85</p> 86 87<h2 id="access">端末暗号化ストレージにアクセスする</h2> 88 89<p>端末暗号化ストレージにアクセスするには、 90<code>Context.createDeviceProtectedStorageContext()</code> を呼び出して追加の 91{@link android.content.Context} インスタンスを作成します。このコンテキストで実行されたストレージ API 呼び出しはすべて、端末暗号化ストレージにアクセスします。 92次の例では、端末暗号化ストレージにアクセスして既存のアプリのデータ ファイルを開きます。 93 94</p> 95 96<pre> 97Context directBootContext = appContext.createDeviceProtectedStorageContext(); 98// Access appDataFilename that lives in device encrypted storage 99FileInputStream inStream = directBootContext.openFileInput(appDataFilename); 100// Use inStream to read content... 101</pre> 102 103<p>端末暗号化ストレージは、ダイレクト ブート モード中にアクセスが必要な情報のみに使用してください。汎用的な暗号化された保存先として、端末暗号化ストレージを使用することはできません。ユーザーの個人情報や、ダイレクト ブート モード中に特に必要ではない暗号化されたデータには、認証情報暗号化ストレージを使用してください。 104 105 106 107</p> 108 109<h2 id="notification">ユーザーによる端末のロック解除の通知を受信する</h2> 110 111<p>再起動後にユーザーが端末のロックを解除すると、アプリは認証情報暗号化ストレージへのアクセスに切り替えて、ユーザーの認証情報に応じて通常のシステム サービスを使用します。 112 113</p> 114 115<p>再起動後、ユーザーが端末のロックを解除したときに通知を受信するには、実行中のコンポーネントから {@link android.content.BroadcastReceiver} を登録して、<code>ACTION_USER_UNLOCKED</code> メッセージをリッスンするようにします。 116 117または、既存の {@link android.content.Intent#ACTION_BOOT_COMPLETED 118ACTION_BOOT_COMPLETED} メッセージを受信することもできます。このメッセージは、端末が起動してユーザーが端末のロックを解除したことを示すようになりました。 119 120</p> 121 122<p> 123<code>UserManager.isUserUnlocked()</code> を呼び出して、ユーザーが端末のロックを解除したかを直接問い合わせることもできます。</p> 124 125<h2 id="migrating">既存のデータを移行する</h2> 126 127<p>ユーザーが端末をアップデートしてダイレクト ブート モードを使用できるようになると、既存のデータを端末暗号化ストレージに移行しなければならない場合があります。 128 129<code>Context.moveSharedPreferencesFrom()</code> および 130<code>Context.moveDatabaseFrom()</code> を使用すると、設定およびデータベースのデータを認証情報暗号化ストレージと端末暗号化ストレージ間で移行できます。 131</p> 132 133<p>どのデータを認証情報暗号化ストレージから端末暗号化ストレージに移行するかは、慎重に判断してください。 134パスワードや承認トークンなどのユーザーの個人情報は、端末暗号化ストレージに移行しないでください。 135 136場合によっては、この 2 つの暗号化された保存先に、データセットを振り分けて管理する必要があります。 137</p> 138 139<h2 id="testing">暗号化対応アプリをテストする</h2> 140 141<p>新しいダイレクト ブート モードを使用して、暗号化対応アプリをテストしてみましょう。ダイレクト ブートを有効にする方法は 2 つあります。 142</p> 143 144<p class="caution"><strong>警告:</strong>ダイレクト ブートを有効にすると、端末上のすべてのユーザーデータが消去されます。 145</p> 146 147<p>Android N がインストールされたサポート対象端末では、次のいずれかの方法を使用してダイレクト ブートを有効にします。 148</p> 149 150<ul> 151<li>端末で、<b>[Developer options]</b> がまだ有効になっていない場合は、次の手順で有効にします。<b>[Settings] > [About phone]</b> で <b>[Build number]</b> を 7 回タップします。 152 153[Developer options] 画面が表示されたら、<b>[Settings] > [Developer options]</b> で <b>[Convert to file encryption]</b> を選択します。 154 155</li> 156<li>次の adb shell コマンドを使用して、ダイレクト ブート モードを有効にします。 157<pre class="no-pretty-print"> 158$ adb reboot-bootloader 159$ fastboot --wipe-and-use-fbe 160</pre> 161</li> 162</ul> 163 164<p>テスト端末でモードの切り替えが必要な場合、エミュレーションされたダイレクト ブート モードも使用できます。 165データが失われるおそれがありますので、EMULATED モードは開発中にのみ使用してください。 166エミュレーションされたダイレクト ブート モードを有効にするには、端末でロック パターンを設定します。ロック パターンの設定時にセキュリティで保護されたスタートアップ画面について確認メッセージが表示された場合は、[No thanks] を選択します。次に、次の adb shell コマンドを使用します。 167 168 169</p> 170 171<pre class="no-pretty-print"> 172$ adb shell sm set-emulate-fbe true 173</pre> 174 175<p>エミュレーションされたダイレクト ブート モードを無効にするには、次のコマンドを使用します。</p> 176 177<pre class="no-pretty-print"> 178$ adb shell sm set-emulate-fbe false 179</pre> 180 181<p>これらのコマンドを使用すると、端末が再起動されます。</p> 182